娘が幼い頃に離婚し、娘と私の父子家庭で暮らしています。思春期を迎える娘が最近よそよそしくなっており、今後、娘に対して、生理などの性教育などどう伝えればいいか悩んでいます。
A.ご自身の妹さんやお姉さん(子どものおばさん)やご近所の女性、あるいは本などの力も借りて伝えてください
娘さんの心を思いやって伝え方を工夫しようとがんばっていらっしゃいますね。子どもへ性に関することなどをどう伝えたらよいのか、みなさんとてもとまどいます。ひとりで子育てをしている場合で性が異なるお子さんの場合はなおさらではないでしょうか。
性の話はとても大切ですが、なかなか親と子だと話しにくいですよね。あるシングルファーザーは、子どもとスーパーに買物に行って、生理用品やブラジャーも自然に買っていたそうです。でも、そんなことはできない、と思っているシングルファーザーの方のお話を聞いたこともあります。そういうときにはお子さんのおばさんに当たる人や近所の方に頼んでみたらいかがでしょうか。
最近は、お子さんの性教育についての親向けの本や、お子さんが読みやすい性の本がたくさん出版されています。親向けの本を読みお子さんに伝えたり、お子さん向けの本を本棚に忍ばせておいたり、みなさん工夫されているようです。お子さん向けの性のことを正しく教えてくれるサイトなどがありますので、そちらも活用してみましょう。
お子さんの年齢、性別によっても話す内容が違うと思いますので、いろんな年齢のお子さんに役立つよう、少し分けてお話ししますね。
幼児から小学校低学年ぐらいのお子さんについて
まずプライベートゾーンの話をしましょう。口、胸、性器、おしり、など触ってはいけない場所、他の人に触らせてはいけない場所などを、お風呂に入ったときなどを使って話しましょう。そして、お友達でも誰でも、「触られて嫌だと思ったら嫌だと言っていいんだよ」と伝えましょう。プライベートゾーンはとても大切な場所なのだということを話しましょう。だからいつもきれいにしようね、ということも合わせて伝えるとよいと思います。
小学校中学年から高学年ぐらいのお子さんについて
女の子なら生理が始まる時期、男の子なら精通などが始まる時期になります。どちらもそれが始まるということは、子どもをつくることができる大人の体に変化していることを伝えましょう。
女の子であれば、初潮のお祝いのときなどに、それが女性の体になる変化でとてもすばらしいことであると同時に、妊娠ができる体になることもしっかり伝えます。生理用品を準備し、初潮を迎える年頃になったら常時ナプキンを数個持たせてあげましょうね。
男の子であれば、下着を隠したり、シーツを隠したりするかもしれません。気がついたときには、そっと洗って知らない顔をしましょう。また性器についての悩みも出始めます。
ご相談された方のようにお子さんに伝えづらいときは、身近な大人(家族、親せきや子どもの先生や習い事の先生、学童の先生など)にお願いして身体の変化について軽く話してもらったりすることもよいかもしれません。また、子どもが読みやすそうな本を渡して伝えるのもひとつの方法です。
中学生、高校生ぐらいのお子さんについて
女の子も男の子も、思春期真っただ中のこの時期、何を言っても「うざい」で片づけられがちな時期です。なかなかこちらの言うことをきちんと聞いてくれないこともあるでしょう。
でもドラマやニュースなどを一緒に見たときや、性の話題につながるような番組を見たときに、さりげなく体に気をつけるよう話したり、高校生の妊娠のニュースなどが出たときに、自分が大切にされるとはどういうことか、また男の子であれば、女の子を大切に思うとはどういうことか、なども伝えられるとよいですね。
またお子さんの中には、身体上の性と心の性が違うことを悩む子がいるかもしれません。そういう兆候を見かけた場合は、無理にカミングアウトさせようとせず、本人が伝えたい気持ちになるまでゆっくり見守りましょう。びっくりされたという方は、少しずつ本などで勉強してみましょうね。お子さんにいつでも味方で応援しているという気持ちが伝わるといいですね!