
結婚前はとても優しかった夫が、子どもが生まれてからおかしくなりました。時折優しいのですが、子どもに関心を示さず、何をやってもダメだと私を否定したり、モノを投げ強く怒ったりします。夫の顔色をうかがって過ごさねばならずとてもしんどいです。
A. DVについて考えてみましょう。
よくぞお伝えくださいました。あなたはとてもしんどい中、子育てなどよくやってお過ごしです。体調はいかがですか。頼れるところは頼ってご自分の休息を取ったり、好きなことをしたりして、ご自分をねぎらいましょうね。
さて、あなたはDVという言葉を聞いたことがありますか。「DV(ドメスティックバイオレンス)とは、親密な相手からの執拗なコントロール」「DVとは、親密な関係において、一方が他方をコントロールし、従わせようとして用いる、威圧的な行動パターン」などと定義されています。
その表れ方はいろいろです。殴る蹴るなどの身体的な暴力の場合には、暴力だとわかりますが、言葉や態度などで支配をしようとする精神的な暴力は、とても巧妙な場合があります。
他に、あなたとほかの人との交流を断つように仕向ける社会的な暴力、お金を渡さないなどの経済的暴力、セックスを強要する性暴力など、さまざまな種類があるのです。家計費も、領収証を渡さないとお金がもらえないという経済的な暴力を受けた人もいます。
夫が女性関係を持ち、「お前はダメな人間だ、お前のせいでこんなにオレは苦しんでいる」などと言われ言葉や威圧的な行動で暴力を受け続けた人もいます。彼女は自分が至らないからだとずっと思っていました。数年後、それは精神的暴力(モラルハラスメント)だと言われて、初めて自分の状態がわかったそうです。
優しくて、家事もするいい夫だと思っていたけれど、だんだん妻の行動を支配するようになり「化粧はダメ、美容院に行くのはダメ、おしゃれもいけない、友だちと会ってはいけない、実家に帰ってもいけない、外部との接触をもってはいけない」と言われるようになり、「それほどわたしは夫から愛されているんだ」と思っていた人もいます。
DVにはサイクルがあると言われています。張りつめたような緊張の時期と、暴力が爆発する時期の後に、謝罪や「愛している」といった言葉を伴う「偽りのハネムーン期」があるのです。このハネムーン期があるために、自分は愛されている、必要とされていると信じてしまい、なかなか別れられないのです。
内閣府の調査によると、3人に1人の女性が夫から暴力を受けていると答えています。そして20人に1人が、生命の危険を感じる暴力を受けていると答えています。
また、暴力を振るうのは、酒飲みで低所得の男性と思われがちですが、そうではありません。あらゆる職業、階層に暴力を振るう人がいることがわかっています。また、「暴力を振るわれるほうにも落ち度がある」と言われることがありますが、それは違います。暴力以外の方法で相手とコミュニケーションすることはできるはずですね。暴力を振るう側に責任があることもあきらかです。
まずは、あなたが今受けているのがDVであることを知り、知識を得ていきましょう。その次に、どうやったらDVから逃れられるかを考えてみましょう。そのことをまとめた記事を現在準備中です。少々お待ちくださいね。
インフォメーション
●DV相談ナビ
配偶者や恋人からの暴力(DV)について、専門の相談員が一緒に考えてくれます。面談・同行支援・保護なども行っています。内閣府男女共同参画局が提供。
◎WEBサイトはDV相談ナビ(男女共同参画局WEBサイト)
◎相談機関を電話で案内するDV相談ナビは#8008【全国共通】(匿名での利用可)
●DV相談+(プラス)
新型コロナウイルス感染症拡大による相談窓口の増設。電話・メール相談は24時間受付、10ヵ国語対応。DV相談ナビと同様にDVについての相談や面談・同行支援・保護などを行っています。
◎WEBサイトはDV相談+(内閣府WEBサイト)
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