てんかんもちの息子に前にあらわれた、通りすがりのスーパーヒーロー
うちの長男はてんかん持ちです。
初めて発作が起きたのは保育園からの帰り道でした。小雨の降る中、週末で荷物が多く、抱っこをしてあげられないことで次男がぐずっていました。すると後ろを歩いていた長男が泣き出しました。どうやら傘で前が見えなくて電柱に激突、おでこを強打したようです。
幸い外傷は無かったので家路を急ごうと歩き出すと異変が! 長男がふらふらと蛇行し出し、その場に倒れてしまったのです!
必死に抱きかかえ呼び掛けていると、その横で今度は次男がおもらし! 意識が遠のく長男、泣きわめく次男、パニックな私。
…病院? それともいったん家に帰る? でも2人抱っこは無理! 運悪くタクシーなど通らないような住宅街の小道で、どうにも出来ずに座り込む私…
その時どこからか「どうしたの?」と優しい声が。ちょうど通りかかった女性が自転車を止め、駆け寄ってくれました。
事情を話すとテキパキと次男を着替えさせ目の前の家をピンポーンと鳴らし「いらないタオルくださらない?」と交渉(知り合いとかではない)。ゲットしたタオルで次男を拭いてくれたり荷物をまとめてくれたり、不安に震える私に「大丈夫よ」と温かく声をかけてくれました。
救急車を呼ぶことになり、到着するのを見届けると「じゃあお大事にね!」とさっそうと立ち去って行きました。あっという間で名前も聞けませんでした。
それから数週間後、すっかり元気になった長男と次男といつものように歩いていると、
「あら? もしかして?」と声をかけられました。あの時の女性です!
「元気になったのね〜、良かった。」
「あの時はほんとにお世話になりました! ぜひお礼をしたいのですが……」
「いいのよ! そんなの!」
と言うと光の速さで行ってしまいました。正に正義の味方、ヒーローです。(ヒロインかな?)
私もお子さん連れのお母さんが困っていたら、迷わず手助けしてあげたいです。カッコよいヒーローはこうして引き継がれていくのです!
(体験者:K.Hさん)