シングルマザーになる前と後に利用した支援
数年続いたDVの末、不安なまま迎えた出産、育児。産後間もなく始まった子どもへの虐待で、プレシングルの道を迷う時間もなく進むことになりました。
周りにシングルの友人はおろか、離婚の話も聞いたことがない友人ばかり。
相談できる先がないと、孤独になり困りました。まだ生まれたばかりの子供を抱えて、調べることもままならず・・・まず相談したのは、自治体の女性センターです。
現状をお話しして客観的な視点での判断、相談すると良い先など足がかりを掴みました。女性センターにて弁護士の無料相談を行っていること、また児童相談所の紹介、役所にひとり親家庭の相談窓口があることを教えて下さいました。
その時点で、一人ではなく行政に頼って何かしら相談の記録を残しつつ、ひとり親家庭が頼れる先の情報を集めました。
女性センターの無料弁護士相談では現状で司法がどう判断するかを教えてもらい、本格的に支えていただく弁護士さん探しを少しずつ始めることにしました。
児童相談所では、親身なってお話を聞いて下さると共に、(住民票閲覧制限の際や、警察へ相談する時などに使用できる)DV相談証明書が必要な時は発行できる旨お伝えいただきました。その次に向かったのは、役所のひとり親家庭向けの相談窓口です。
相談員さんみなさんがシングルの方でご自身のお話をしてくださいました。行政での手続きをして本格的にプレシングルになる前の状態で、先の見えない不安を抱えていたので、すごく心強かったです。
ひとり親家庭向けの支援があること、住宅があることなど、心配事を減らす手伝いをしてくださいました。赤ちゃんの状態でDVや虐待から抜け出すのはすごく難しいこと、今のタイミングが間違いではなく子供のためにもなっていると、客観的な見方をして下さいました。
また離婚するということがどれだけ大変になるか、そのためには周囲のサポート体制が欠かせないこと、今後のために就労していくことも考えなくてはいけないと、冷静な言葉をかけて下さり、自身ではどうしても考えるのを避けてしまい整理できないことも教えて下さいました。
そこでしんぐるまざぁず・ふぉーらむの存在も教えて下さり、セミナーに参加してみました。
両親に現状を話し、協力を頼みました。そして、パートを始め子供を保育所に預け、平行して資格取得に向け勉強も始めました。
傍らで弁護士さんを探し相談し、いつから公にプレシングルの道を歩むかを考えました。
資格取得試験の終了した後のタイミングと決め、弁護士さんの力を借りて相手方に申し出ると共に、役所でプレシングルの手続きをしました。
その際にひとり親家庭向けの支援策を教えていただき、色々な課を回りました。ただ大変だったのは、シングルではなく“プレ”シングルという点です。
相手方に書いてもらわないといけない書類が多く、話し合える状態ではないので欠けた書類をどう作るかに時間がかかり、1日中役所に居続けました。
手続きが進み、何度か役所へ行く際にひとり親家庭向けの相談窓口を利用して、引き続き親身になってお話を聞いていただきました。
決して、仕事だからという訳ではなく、「同じ経験をしている人」として寄り添ってくださったのが本当に支えになりました。
プレシングルの手続きが終わり、次は就活です。
役所で子育てママ向けの就労支援や、ひとり親家庭向けの就労支援があることも教えていただき、相談しに行きました。
結果的に自身で求人を見つけることにはなりましたが、履歴書や職務経歴書の添削などを丁寧にしていただいたので、とても助かりました。
同時に就労した時のことを考えて、ファミリー・サポート・センターにも登録しました。登録するには、説明会に参加しなくてはいけなかったり、顔合わせがあったりと、仕事をしていないからこそ動けたと思います。
仕事に就いてからも、時にしんぐるまざぁず・ふぉーらむのセミナーに参加し、時に情報を得て、またひとり親家庭向けの就労支援員さんがおられたので、将来の仕事の不安についてお話をしました。
どうしても孤独を感じることはありますが、どのタイミングでもどこかと繋がって情報を得て、ひとり親家庭向けの支援をうまく使っていくこと、そして仕事について少額であっても生活の土台を作っておくことで、いざシングルになってからの生活に戸惑うことなく、過ごせたと思います。
離婚までの過程については、なかなか友人などの力を借りられる範囲を超えていたので、
それほど相談しなかったとは言え両親が健在だったことが大きな支えでした。
今はより安定した収入を得るために就活をしていますが、それも母子・父子自立支援プログラム策定事業で支えていただくことになりました。
シングルになるには、1つの事をじっくり進めていくというより、同時並行で色々と考えながら過ごすことになると思います。それは、言葉では表現しきれない大変さがありストレスでもあります。
また、ほかで発散できないようなタイプのストレスが大きくのしかかると思います。
保育園に預けられて子供の心配を極力抑えられたこと、仕事という自分自身の居場所を1つでも多く持てたことも大きかったと思います。
きっと他の方はもっと器用に立ち回られるんだろうなと思うことは今でもありますが、
地道に向かえば時間がかかっても何らか先は開けるということ。
未来は誰にもわからない、より良くなる可能性を秘めていること。
向く方向は前であることに変わりないこと。
常に胸に秘めて過ごしています。
たくさんの支援を大いに活用して、ご自身にとってお子様にとって、betterは何かを考えてみて下さい。
(体験者:S.Yさん)