私の家庭は母子家庭で、母と父は私が2歳のときに離婚しました。
父とは面会交流が定期的にあり、今でもたまに食事をします。幼いころは数カ月に1回のペースで父に会い、水族館やプールに連れていってもらいました。父のことは嫌いではありませんが、養育費を昔から払ってこなかったことを知ってからは複雑な心境です。子どもに失望されたくなければ少額でも養育費を渡すべきだと思います。
私は昔から母のことが大好きですが、私が小学5、6年生で完全に不登校になったときは毎日のように大げんかしていました。
でもけんかするうちに、母は私のことを理解できなくても受け入れてくれました。反抗期はどんな親の言うことでも聞きたくないものなので、母が私の意見を尊重し、そっとしておいてくれたのはとてもありがたかったです。
昼間は大好きな海外のドラマ・映画を見たり、本を読んだりなど、好きなことをして過ごしていました。海外のドラマには日本のテレビとは違って、さまざまな生い立ち・家族を持った子どもたちがたくさん登場するので、親近感を覚えました。
また、学校や担任の先生は大嫌いでしたが、学ぶことは嫌いではなかったので、途中から母に頼んで塾に通いました。学校から離れた塾だったので学区外の友だちが出来たこともうれしかったです。
不登校の間は一日中家にいるとストレスがたまるので、夜になって散歩したり、母とスーパーやレンタルビデオ店に行ったりするのも楽しみでした。
私はその後、中学も学区外の学校に通い、高校では理系クラスに進みました。大学では工学部で化学科を専攻し、自動車部品メーカーに就職しました。大人になって実感するのですが、母が外で仕事を持ち、自分の趣味や時間も大切にしてくれていて本当によかったです。余計な干渉をされずに済んだし、外で働くことに対してポジティブなイメージを持てたからです。お金を稼ぐことは母の自信につながるし、一緒にいるときに甘えさせてくれる親ならなんの問題もないです。
母は今でも仕事・人生の相談に乗ってくれる大変心強い味方です。
家族の形は家族の数だけあります。ひとり親の方はどうか自分に誇りを持って、自分と子どものために好きなことをしてほしいと思います。
(体験者:K.Sさん)