子どもが生まれてから夫婦関係が悪化し、夫は生活費をくれず手を出すことも。修復したいと試みましたが進展せず、無視されることも多くなってきました。働いてなんとか生活していますが、生活が苦しいです。もう限界なので、離婚を考えはじめました。離婚にはどんな方法があるか教えてほしいです。
A. 協議離婚、調停離婚、裁判離婚があります
小さいお子さんを育て働きながらの夫婦の話し合いは落ち着いてできず、なかなか難しいもの。その中で修復しようと試みて、よくがんばってきましたね。あなたがより良い選択ができるよう応援しています。離婚の方法をお知りになりたいとのことですので、これから簡単に説明していきますね。
離婚には主に、協議離婚、調停離婚、裁判離婚の3つの手続きがあります。平成28年の統計では離婚の約80%は協議離婚です。当事者どうしで離婚届に押印して、役所の窓口に提出するだけで離婚が成立します。日本では協議離婚が多いのですが、欧米ではこうした離婚のほうが珍しいといえます。
協議離婚では、夫婦の間に未成年の子どもがいる場合には、離婚届でどちらの親が親権者になるのか決めないといけません。そのほかには、養育費や財産分与などの取り決めをして協議離婚合意書を別につくることもあります。この場合、公証役場に双方が行って、公正証書(強制執行認諾文言付)にすれば、将来の差し押さえができるようになります。ただし、公証役場は取り決める養育費や財産分与の金額に応じた費用がかかります。
調停は、当事者だけで協議離婚まで決められないときに、家庭裁判所で調停委員を前に交互に話をすることで離婚について合意を目指す手続きです。合意が成立すれば、家裁が調停調書を作成します。調停調書は、裁判の判決と同じ効力があります。調停は、相手の住所地の家庭裁判所で行うことが原則です。こちらが申し立てして相手方が遠いところにいる場合には、調停のたびに、そこに通うことになります。
調停は、裁判と違い、話し合いです。離婚やお金のことで合意ができなければ、調停は成立しません。調停で何回か話し合いを繰り返しても合意できない場合は、調停不成立となってしまいます。そして、それでも離婚したいなら、裁判に進める必要があります。
裁判は、①不貞②悪意の遺棄③3年以上の生死不明④強度の精神病で回復の見込みがないとき⑤婚姻を継続しがたい重大な事由があるとき、これら5つのうちどれかの離婚事由を証拠をそろえて立証することが必要なので、協議離婚や調停と違い、必ず弁護士を代理人につけることをお勧めします。
このほか、裁判所が総合的に事情を考慮して、夫婦関係が破たんしており、回復の見込みがない場合(長期の別居状態など)には、離婚成立を認めることがあります。何年別居すれば離婚できるという基準が明確にあるわけではないので、裁判については慎重に考えて、事前に弁護士に相談したほうがいいでしょう。
ひとり親関連の相談・支援先
●しんぐるまざあず・ふぉーらむホットライン
シングルマザー(プレシングルの方も含む)が子どもといっしょに生き生き楽しく生きられるように、ママを勇気づけ、社会で活躍できる支援を行っています。
電話:050-3196-1114
火曜・水曜 (祝日は休み)16:00〜21:00
くわしくはしんぐるまざあず・ふぉーらむのWEBサイトで
●ひとり親家庭支援センター (母子家庭等就業・自立支援センター)
都道府県・政令市などにあります。ひとり親家庭(プレシングルの方も含む)の総合的な支援窓口です。生活や法律、仕事の相談、イベントなど、さまざまなひとり親の支援をおこなっています。地域によってかなり差があります!
◎都道府県の母子家庭等就業・自立支援センター一覧はこちら
◎母子家庭等就業・自立支援センター事業についての詳細はこちら(政令市を含む全国の一覧あり)
●男女共同参画センター(女性センターなど地域によって名称が異なります)
都道府県、市町村で自主的に設置しています。無料で法律相談(弁護士による)などが設けられているところも多くあり、講座や情報発信も行われています。
◎男女共同参画センター(都道府県のみ)のWEBサイトはこちら
全国の女性センターの一覧はこちら
●市役所(区役所、村役場)の相談窓口
地域によっては、専門の相談員を配置し、ひとり親向け(プレシングルの方も含む)の相談窓口を設けています。母子父子自立支援員の方が支援してくれます。
法律に関する相談・支援先
●法テラス 日本司法支援センター
法律相談できる公的な法人。経済状況に応じて、無料法律相談(3回まで)・弁護士・司法書士費用などの立替あり。
0570-078374(平日9:00~21:00、土曜9:00~17:00)
WEBサイトはこちら