体験談

息子の障害年金申請体験記

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郵便受けに入っていた日本年金機構からの封筒。開封したところ、中に証書が入っており、それが待ちわびていた障害年金の証書だと気付くのには時間が少しかかりました。

障害児である次男が20歳になる半年前のこと、障害年金の手続きの進め方を聞きに市役所を訪ねました。医師の診断書が必要なこと、本人の成育歴等を書く必要があること…その日は書き方の見本をもらって帰りました。

障害年金の申請について、ネットで調べてみましたが、あまり情報は出ていませんでした。むしろ、申請が通らなかった人の話などが載っていて、不安を感じました。
 
それでも、先天的な障害があり、重度のうちの子の場合、さすがに申請は通るだろうと気を取りなおし、成育歴の表などを少しずつ作成していきました。幼少期からの知能検査等の書類はとってありました。

ただ、それらの書類は直視したくない現実が載っていたため、ずっと封印しており、それらをひもとく作業は思っていたよりも苦痛でした。

子が2歳ごろ、同年代の子が二語文をしゃべるのにしゃべらないこと、多動ですこし目を離すといなくなること、この子は障害児ではないかと疑い始めたこと等、当時の気持ちが押し寄せてきて、作業は進みませんでした。

診断書を依頼した病院で、相談員による聞き取りがあり、上記のことや、自分の子のできない点ばかりをあげつらった書類を作成するのがきついことなどの本音を打ち明けたところ、「年金をもらうためには仕方がない。割り切ることだ」と助言を受けました。

確かに、割り切らなければ何も進みません。今までだって、これからもそうです。それ以降は事務的に処理できたように思います。

市役所での受付を終えて3か月近くたったころ、証書が届きました。障害の等級は1級。今、達成感とこの子の未来に年金が入る安堵に、関わってくれたすべての人たちに「ありがとう」と伝えたいです。

そして、この子にも。「消極的だった私を強いお母さんにしてくれてありがとう。生まれてきてくれてありがとう」と。明日からまたがんばれます。

M・S

障害年金

病気やケガによって仕事や生活ができない場合に、受け取ることができる年金です。
手続きは役所の担当窓口(年金係など)や年金事務所で行います。

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