体験談
土曜のクリスマスイブ。園で最後のひとりになった息子の言葉

去年のクリスマスイブのことです。
その日は土曜日で、4歳の息子を保育園に登園させていました。会社を休むことができなかったので、せめて早めに退社したいと思っていました。けれど、そんなときに限って退社時間を過ぎても仕事に追われました。
いつも通りに支度していたら、お迎えの時間に遅れてしまう。会社の制服にコートを羽織り、1時間近くかかる道のりを、泣きそうになりながら走りました。
汗だくで閉園時刻ぎりぎりに到着した私を、ひとりの保育園の先生と息子だけが出迎えてくれました。
先生は「今日はクリスマスイブなので、お友達も職員もみんな早めに帰ってしまって」とおっしゃいました。息子は「お友達が片付けそびれたおもちゃを片付けて、先生のふき掃除の手伝いをして、金魚にエサを与えて、ママの帰りを待っていた」と言います。
私が息子にあやまると、
「ママはお仕事がんばってきたんだからあやまることないよ」
と言ってくれました。
先生も制服姿の私を見て「お疲れさまでした」と言ってくださいました。
息子と先生のあたたかい言葉に「最高のクリスマスイブだな……」と感じ、涙がとまりませんでした。待っていてくれた先生と子どもに、改めて、あのときは本当にありがとうと伝えたいです。
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