私は、DVを経験し離婚した、小学生の子ども2人の母です。
ひとり親や収入の少ない世帯には、就学援助という制度があります。生活保護に準じた制度です。学校から案内がきますので、忘れずに出します。給食費用も減免になります。
その援助が適応されない困ったことがおきました。学校の給食室の改修工事です。お知らせは2年位前からありました。改修工事時には、お弁当を持参するかお弁当を注文する必要があるという案内がきました。
しかし、お弁当を注文するには470円かかります。毎日頼めば、約9400円。給食は、毎月4〜5000円。支援により無償で食べられていました。
お弁当を作るにも、食材を多く買いにいかなければなりません。お弁当を作る大変さよりも食材を購入する負担が重くのしかかってきます。
こちらから学校に頼んで改修工事をしてもらうわけでもありません。納得がいかず、区役所と区議さんに、このことを素直に伝え、改修工事時にも給食費用の補助をして欲しいと手紙を書いて伝えました。
しかし、役所からは、給食費用は現物支給であり、学校が提供する給食しかできないというものでした。
それでも、私はあきらめず、区議会の子どもの教育等に関連する会議の議事録をよんだり、区内の就学援助世帯の人数を調べてまとめたりするなどして、何度も何度も役所に手紙を書きました。
そのたびに区議さんにも話をつづけ1年数か月かかりましたが、給食室改修の際は就学援助世帯等に給食1食分の単価に日数を乗じた金額が支払われることが決まりました。
とてもうれしかったです。あきらめなくてよかった! 一緒に説得してくださった区議さんにも感謝しております。
幼児保育無償化でもちろん助かった人もたくさんいると思います。しかし、私たちひとり親はもともと収入が少ないため無償化での恩恵はありません。今は物価もあがり、もう節約するところがありません。
それでも、子どもの勉強のために自分が我慢できるところは我慢して、子どもたちへ学ぶ場を与えてあげたいと常に思って考えております。
だから、決してあきらめないでください。困ったことがあれば、それは恥ずかしいことではありません。まずは、話せる人に伝えてください。話さないと何もかわりません。
でも、どうやって区議さんと知り合いになるの? と不思議ですよね。私は、近隣のお祭りに行ったときに顔見知りになりました。
また、選挙が近くなるとポストにいろいろな区議さんのチラシが投函されています。関係ないってすてないでください。どんなことに取り組んでいるのかよんでいると、話せる方には意見を伝えられるアンケートがついていたりします。
自分の連絡先は書かなくても大丈夫。困っていることをぜひ書いて送ってください。どうかあきらめないで、まずは伝えてください。きっと何かのきっかけになります。私はそう思っています。
(体験者:M.Sさん)
就学援助
公立の小学校・中学校に通う家庭に、給食費や修学旅行費、入学準備金などの費用を援助します(費用によっては一部支給)。生活保護受給者やそれに相当する生活に困っている家庭が対象です。自治体ごとに所得制限などの対象が異なります。
最近は小中学校の入学前に手続きができるようになり、入学前に入学準備金が給付される自治体が増えています。
自治体により制度内容や連絡方法が異なります。入学前から役所のWEBサイトを確認するようにしましょう。
高校と大学の就学支援についてはこちらに詳しく載っています。→ 『教育費サポートブック』<2023年作成版>