私は、子どもの父親と普通にお付き合いしているとき、彼と相談して子作りを始めました。お互い仕事も忙しかったので、子どもができてから結婚について考えようと話し合っていました。
しかし、無事妊娠した後の話し合いでもめて、彼には「やっぱりまだ子どもを育てていくという責任は負えない」と言われました。
それまではふたりで日々を過ごしていたのに、そのときからはまたひとりになり、孤独を感じつつも妊婦生活を乗り越え、出産にいたりました。出産のときは分娩台の上でひとりでとても心細く不安でした。自分が選んだ相手ですが、彼に対しての愛情は薄れてきて、とてもネガティブな気持ちが大きくなっていました。
でも、子どもが生まれた瞬間から、私はひとりではなくふたりになったのだなと思いました。不思議と子どもを負担だと思うことはなく、孤独感もうすれて幸せを感じました。
ひとりで育てていくと感じるとプレッシャーや不安は大きかったのですが、これからはまたふたりに戻れるのかと思うと、うれしかったです。守るものもできて、ひとりで暮らしていたときよりも日々が充実していたように思います。
そして、子どもが話せるようになった今、振りかえるとひとりで産んだことがよかったのかなと思います。もし自分が、パートナーがいる状態でスタート、そして途中でいなくなった場合、単純に家族が減ることで孤独感や不安が増すし、今まであった協力がなくなり大変と感じる場面も多くなるのではと思いました。
その点、私はひとりからのスタート、そして家族が増えるという流れだったので、孤独感は減って、幸せだなと感じることが増えました。それは、年月を追うごとにより実感できています。
責任感があまりなく大人になり切れていない彼が家族のなかにいないことでも、私の負担が減っているのではと感じます。考え方によって、子どもは自分の負担にもなりますが、よきパートナーにもなってくれるのだなと日々感じています。
(体験者:A・Kさん)