小学生の子どもが、授業に集中できず忘れ物が多いなどあり、友人とのトラブルがあったりして、学校からの連絡がよくあります。最近、担任の先生との面談で発達の専門機関の受診をすすめられました。発達障害があるのでしょうか。また、子どもは少し無気力になっています。
A.専門家に相談して、お子さんの困っていることの解消を
学校からの何度も連絡があったのですね。お子さんの行動にこころを痛められて、いろいろ働きかけをしてみたのではないでしょうか? よくやってこられました。そしてお子さんが少し無気力なのは心配ですね。子どもの発達の考え方や今後どうしたらよいか説明しますので、よかったら参考にしてくださいね。
発達の凸凹(でこぼこ)は人それぞれにあり、その中でも、社会生活を送ることに困難がともなう特性には、発達障害があると診断されます。発達の凸凹は生まれつきの特性で、あなたの育て方や接する時間の問題ではありません。
お子さんの診断は専門医にお任せするとして、今の状態は「お子さんが困っていて支援が必要な状態」だと言えます。生まれつき苦手なことやできないことに対して、周囲からの強い叱責や否定が続くと、うつや不安障害などの二次障害を発症することがあります。
大切なのは、周囲がお子さんの困りごとを理解して、特性に合った助けをほどこし、接し方を工夫すること。そのことが、二次障害の予防になります。
担任の先生に専門機関につないでもらえるようであれば、紹介をお願いしましょう。担任の先生に相談しにくい場合は、学校のスクールカウンセラーに相談する方法もあります。また、児童相談所や発達支援センター、保健センターなどでも相談ができますので、お住まいの役所の窓口(福祉課など)に相談先を教えてもらいましょう。
助かる自治体のサービスとしては、『放課後等デイサービス』があります。発達に凸凹のある子を放課後に預かり、療育(教育)や居場所を提供してくれます。月額利用料は所得に応じて設定されており、非課税世帯は無料で利用できます。利用するには、専門医に受給証を発行してもらい、お住まいの役所の担当部署(多くは福祉課)で手続きしましょう。
経済的な面でも、自治体の支援制度があります。特性の状況に応じてですが、療育手帳、特別児童扶養手当を受給することができる場合があります。他には、『特別支援教育就学奨励費』という制度があります。所得に応じて就学に要する費用※の半額(限度額は1万円程度)の支援を受けられます(申請には領収書要)。どの支援制度もひとり親の手当である児童扶養手当と同時に受給できます。
専門機関や支援制度を上手に利用して、お子さんの困りごとを減らしてあげましょうね。ご家庭では、特性に合わせた接し方の本を参考にするとラクになりますよ。そして、時にはお子さんと離れてご自身の時間をもつことも大事です。
インフォメーション
特別児童扶養手当
重度・中度の障がいのある20歳未満のお子さんを養育している方に、支給される手当てです。障害の程度により支給される額が決まり、所得制限(受給できる所得の上限が決まっている)があります。児童扶養手当と同時に受給できます。手続きはお住まいの役所(子育て支援課など)でします。
等級1級:月額52,200円、 等級2級:月額34,970円
LITALICO(りたりこ)発達ナビ
発達障害やグレーゾーンの子をもつ親向けのサイト。発達に関する情報やコラムが豊富で、専門家が監修しており信頼できる。発達の悩みを書き込みできる掲示板もあります。