くじでPTAの係になってしまいました。仕事がある平日の日中に集まりがあったり、わずかな子どもとの時間を潰してPTAの仕事を家でする必要があったりと、本当に大変です……。
A. 無理をせずに校長・教頭に相談を
PTAは本来、任意加入の団体であり、やりたい人がやるものです。ところが実際にはほとんどの場合、すべての保護者が自動的に強制加入させられ、ひとり親でも病気でも、個人の事情などおかまいなしに、母親であれば一律に仕事を押し付けられがちです。つらいですね。もし「それどころじゃない!」と感じたら、やる必要はありません。
といっても、残念なことに、いまだ多くのPTAでは、「やらない」という選択肢が用意されていません。どうすればいいのでしょう? 一番のおすすめは、学校(校長先生や教頭先生)に伝えることです。PTAの本部役員さん(会長や副会長)に事情を話してみるというのも一案ですが、正しい知識をもたない役員さんにあたると、対応してもらえない可能性もあります。また、プライベートな事情を他の保護者に話すのは抵抗がある人も多いでしょう。
その点、校長・教頭先生は、PTAの強制加入は、本来正しくないやり方であることを知っていますから、「退会したい」と伝えれば、活動を無理強いしてくることはないはずです。PTA役員さんに話をして、調整してくれるでしょう。
万一、校長・教頭先生に退会を阻止されたりしたときは、教育委員会に相談を。なんらかの対応をとってくれるはずです。
あるいは、もし「ちょっとなら活動したい」ということであれば、役員さんに交渉してみるのもいいかもしれません。「これはできないけれど、ここまでならできる」というふうに伝えれば、仕事量を調整するなど、折り合える可能性もあります。
強制されるので、PTA活動には「いやなもの」というイメージが強いですが、実は近所に知り合いができるというメリットもあります。いい関係の知人・友人ができる可能性も、ゼロではありません。
もし時間と労力をとられるデメリットより、メリットが上回ると感じたら、やってみるのも悪くはないと思います。筆者も実は、やってみたら「あれ? 意外とよかったな」と感じた面もありました。
やるのもアリ、やらないのもアリです。くれぐれも、無理はしないようにしてくださいね。
(大塚玲子/ライター・ジャーナリスト)
回答者のプロフィール
大塚 玲子 ライター・ジャーナリスト
ライター・ジャーナリスト。主なテーマは「PTAや学校」と「いろんな形の家族」。著書『ルポ 定形外家族 わたしの家は「ふつう」じゃない』(SB新書)、『PTAをけっこうラクにたのしくする本』『オトナ婚です、わたしたち』『PTAがやっぱりコワイ人のための本』(3冊とも太郎次郎社エディタス)、共著は『子どもの人権をまもるために』(晶文社)、『ブラック校則』(東洋館出版社)など。ひとり親。「定形外かぞく(家族のダイバーシティ)」代表。
ためになる本や映画
PTAをけっこうラクにたのしくする本 大塚玲子著/太郎次郎社エディタス
PTAの委員や役員になっている人、または、なりそうな人にとって、参考になること必至の良書。